ノース・ウエスト航空事件
「使用者の責に帰すべき事由」とは、取引における一般原則たるとは異なる観点をも踏まえた概念というべきであって、民法536条2項の「債権者ノ責ニ帰スヘキ事由」よりも、側に起因する経営、管理上の障害を含むものと解するのが相当である。企業ないし事業場の労働者の一部によるストライキが原因で、ストライキに参加しなかった労働者が労働をすることが社会観念上となり、その労働義務を履行することができなくなった場合、不参加労働者が賃金請求権を有するか否かについては、当該労働者がを有する以上、その個別の労働契約上のの問題として考察すべきである。
労働者の一部によるストライキが原因でストライキ不参加労働者の労働義務の履行が不能となった場合は、使用者が不当労働行為の意思その他不当な目的をもってことさらストライキを行わしめたなどの特別の事情が限り、右ストライキは民法536条2項の「債権者ノ責ニ帰スヘキ事由」には、当該不参加労働者は賃金請求権をと解するのが相当である。
大日本印刷事件
本件採用内定通知のほかには労働契約締結のための特段のをすることが予定されていなかったことを考慮するとき、上告人からの募集(申込みの誘引)に対し、被上告人が応募したのは、の申込みであり、これに対する上告人からの採用内定通知は、右申込みに対するであって、(略)被上告人の本件誓約書の提出とあいまって、これにより、被上告人と上告人との間に、被上告人の就労の始期を昭和44年大学卒業直後とし、それまでの間、本件誓約書記載の5項目の採用内定取消事由に基づくをした労働契約が成立したと解するのを相当とした原審の判断は正当であって、原判決に所論の違法はない。
採用内定の取消事由は、採用内定当時知ることが、また知ることができないような事実であって、これを理由として採用内定を取消すことが解約権留保の趣旨、目的に照らしてと認められとして是認することができるものに限られると解するのが相当である。
実際に問題をアプリで解いて知識を確認しよう! ★ダウンロードは↓をタップ