社労士試験 判例の勉強法

以前から社労士試験の選択式では判例問題が出題されていましたが、多くは労基法科目に絞られていました。

ところが、令和4年試験において「労働一般常識科目」でも出題され、判例問題に対する対策の重要性が高まっています

そこで、判例問題の勉強に向けて何が大切になってくるのか記事にまとめてみました。

ステップ 1: 基礎知識の確立

  1. 基本的な法律知識の習得: まずは労働法の基礎知識を習得しましょう。
    労働判例は判例を理解するための基礎知識がなければ理解できません。

    労働契約」「最低賃金」「有給休暇」など、基本的な用語とその周辺知識をテキストでしっかりと理解した後に判例問題に取り組むことが大切です。

    テキストレベルの知識がなければ判例に太刀打ちできません。

    まずは労働法の基礎知識の習得が最優先です。
  2. 用語の学習: 法律の専門用語や法学の基本的な知識を理解します。
    これにより、判例の内容を読み解くのが容易になります。

    訴訟の流れに加え、「原告」「被告」「適用法」等、最低限の法律用語は頭にいれておきましょう。
    法学の「超基礎」知識の習得としてお勧めの書籍に以下があります。

憲法民法民事訴訟法等をわかりやすく解説していて、法律の基本的な考え方や用語をシンプルかつ正確に理解できるように作られています。

法律の入門書として非常に良い」「法律に関心を持ち始めた人にとって親切な本」とレビュー評価は高めで、管理人も法学勉強の際に最初に読み込みました。
法律を学び始める人にとって有用な書籍となっています。

ステップ 2: 判例の選定と学習

  1. 重要な判例の特定: 過去の試験問題、参考書、オンラインリソースを用いて、試験に頻出する重要な判例を特定しましょう。
  2. 判例の概要理解: 各判例の「背景」「争点」「結論」を把握します。これにより、判例の全体像が掴めます。

    初めから判例をすべて読み込むことはタイムパフォーマンスの観点からおすすめできません。

    まずは「背景」「争点」「結論」を把握し、判例名を聞いた時に何となくイメージできるレベルまでもっていきましょう。

    資格対策アプリ「秒トレ」では、過去問の主要判例、及びその判例の争点から重要と思われる労働判例を集め、概要が把握できる問題を提供しています。
    まずは毎日1判例でも秒トレで判例対策を始めてみても良いかもしれません。

ステップ 3: 詳細な分析

  1. 判例の詳細な読み込み: 判例の全文または詳細な要約を読み、法律的な論点を深く理解していきましょう。
    ステップ2が済み、余裕があれば過去問や秒トレで取り上げられている判例を読み込む段階です。

    ただし、あくまでステップ2が済み、余裕がある場合です。
    まずはテキスト等の重要度の高い内容の把握を優先させましょう。
  2. 関連する法律との関連付け: 判例がどのように特定の法律条文や原則と関連しているかを理解しましょう。

    判例を読んでいると、労基法や民法の条文が頻繁に出てきます。
    どの根拠条文から理論が展開されているのか把握することは判例の理解に重要です。

    ただ、いちいち条文を検索するのは非常に手間です。
    秒トレアプリでは、太字になっている条文をタップすることで、Google検索に飛ぶことができるので、時間の節約をしたい方は活用されてみても良いでしょう。

    また、補足では類似判例を紹介していますので、こちらもタップ検索しながら深い判例理解に活かすことができます。

また、以下の書籍主要判例の内容を分かりやすくまとめてくれています
受験生にも人気の書籍なので、必要に応じ参照されてみても良いかもしれません。

余談ですが、管理人は「最重要判例200」を愛用しております。
理由としては、改訂頻度が高く、判例の入れ替えを行ってくれるので、最新の重要判例を把握することができるからです。

労働判例100」を活用し合格された体験記は以下です。

ステップ 4: 練習問題と定期的なレビュー

  1. 判例を用いた問題演習: 過去問模擬試験を定期的に解きましょう。
    このとき、関連する判例を思い出し、どの部分が問われていたか、背景や争点、結論を都度確認するようにしましょう。
  2. 定期的な復習: 学習した判例は定期的に復習し、記憶を新鮮に保ちましょう。
    毎日何らかの形で判例に触れているだけでも忘却曲線の対策になります。

【忘却曲線対策】

  1. 繰り返し学習:情報を定期的に復習することで、記憶を長期間保持しやすくなります。忘れ始める前に情報を復習することが重要です。
  2. アクティブリコール:読んだり聞いたりするだけでなく、自分でその情報を思い出す練習をすることです。
  3. 関連付け学習:新しい情報を、すでに知っている情報や経験と関連付けることです。関連付けることで、記憶にアクセスしやすくなります。

労働判例の学習は、法律の理解を深め、実務での応用力を養うために非常に重要です。
毎日の学習が、長期的には必ず役に立ちます。
「一日一歩」の精神で、着実に前進していきましょう!

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